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金の斧 [楽]

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人間長生きをしているといいこともあるというお話。
何年か前のこと、友人夫妻と東京でお食事をすることになりました。食事が終わってから電車で帰宅することも当然できたのですが、美味しいものを食べお酒も飲んでいい気持になっているのに週末の満員電車には乗りたくない。私の中に巣くう怠け虫の囁きがきこえてしまいお泊りすることにしたのです。行きも帰りも自分の車でいけば楽だし時間のロスがないことも事実。インターネットから素泊まりプランで早速予約を入れました。東京タワーのそばに建つそのホテルは敷地が広いので部屋の窓からの眺めが隣接する建物の窓や壁だけということもなく、駐車場も広いのでそれまでにも何度か利用したことがあります。チェックイン時には赤道に近い国出身と思われる女性スタッフが対応してくれました。立地、利便性、料金面が評価され海外からのツアー客の利用が以前にも増して多くなっているのでしょう、スタッフも国際色豊かです。私の滑舌が悪いせいもあるでしょうが私の名を何度か聞き間違えた後、彼女がキーを渡してくれました。「スイートをご用意しています」と言って。私は最も安いプラン、一番狭いツインで予約を入れたのです。私の怪訝そうな表情を察したのか「料金は同じですから」と南方系のスタッフは微笑みました。国籍不明の他の男性スタッフに案内され部屋に入ると正面には役員室のようなデスクとその手前に長いソファーがあるだけ。大きな地球儀はありますがベッドがありません。日本人だったかもしれない男性スタッフが隣接するベッドルームに案内してくれました。そこは確かにエグゼクティブスイートと呼ばれるお部屋だったのです。何で?どうして?私がスイートルームへ。上得意様だから?前回利用時の帰り際、支配人宛のアンケートにホテルスタッフの応対が素晴らしいとお褒めの言葉を残したから?いろいろ考えたのですが多分急なツアー客が入りスタンダードなツインが足らなくなった、そこで当日の宿泊客の中で一番ご高齢だった私たちに白羽の矢が立ったのでしょう。飛行機でアップグレードされたこともない私、なんともお得な気分になりました。その夜は、友人との食事をすっぽかして広いお部屋でゴロゴロー、ゴロゴローしていてもよかったのですが・・・。
チェックアウト時、スイートルームの料金を請求されることもなく当然予約した通りの素泊まり料金でした。でもおかしい確か駐車料金は別途のはず。正直者の私は「駐車場を利用していますが」と申告しました。すると間違いなく日本人であろうフロントスタッフは不手際を謝罪した後、駐車料金を加算した請求書を再発行し提示したのでした。領収済みと刻印された駐車券をチェックイン時にもらっていたので黙って帰っても全く問題はなかったはずです。でも嘘をつかない、ごまかさないは私の信条。真面目で善良、紳士的な宿泊者に今度はどんな特典をホテル側は与えてくれるのでしょうか。次回利用の楽しみでができました。

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