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ハーフマイルビーチとマジックアワー [楽]

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客引きをする茶髪金髪のお姉さんお兄さん。彼らとの駆け引きを楽しみながら往来する若者たち。ここは何処?私は誰?まるで浦島太郎になったような気がしました。私が訪れたのは繁華街ではありません。地元逗子の海岸。それも陽も沈みかけた午後6時半過ぎです。
通り沿いに居並ぶ居酒屋やカラオケ店の客引きの数に仰天した夕暮れ時の赤坂田町通り(今は呼称がエスプラナード赤坂通りと改悪?されたようですが)。新宿や渋谷と違って落ち着いた雰囲気だった赤坂の豹変ぶりにも驚かされましたが、逗子海岸の変貌はそれ以上の衝撃でした。昨今、海の家はビーチハウスといわれてお洒落になったとの情報を得、暮れゆく静かな相模湾の向こう、ラナイ島ではなく伊豆半島に沈む太陽を眺めながらマイ・タイでも飲もうかと出向いた私たち。しかし砂浜に足を踏み入れるとびっくり、まだまだ肌も露わな女性たちがたくさん寝そべっていたり闊歩していたりしました。「お腹冷えない」と心配になるほどです。歓声をあげながらビーチバーレーの真似事をしているグループもいます。米軍住宅が近いだけにタトゥーをした異人さんの姿もあちこちに。昭和を生きた時間の方が長い私は、「早くお帰り日が暮れる 野暮な説教するんじゃないが 近頃ここらは物騒だ」と若いお巡りさんのように声をかけたくなりました。私が中学高校時代は海岸に必ずあったスマートボールや射的場といった遊戯施設も5時を過ぎれば店仕舞い。6時を過ぎれば浜にはほとんど人影がなく、一部の海の家が桃色遊戯の場となっていただけと記憶しています。ところが現在は手ぬぐいを頭に巻きとうもろこしを焼いているおじさんがいて店先に「氷」の文字が躍っているよしず張りの昔ながらの海の家が見つかりません。大半の海の家には南国の島のビーチで見かけるようなバーカウンターがあるのです。なかにはDJブースまで設けているところもあるとか。インターネットなどで様子が変わったことは知っていましたがまさかここまでとは想定外でした。陽も沈み漆黒の海が拡がるだけの時間になってもその賑わいは続くのですから驚きです。さすが営業制限時間の9時になるとどこも閉店となり大半は帰路についていたようですが。週末だったからあれほど賑わっていたのか、もしかするとウイークデイでも同様な賑わいなのかもしれません。海岸と駅を結ぶ道路沿いの住人の方々から怒りの声があがって当然でしょう。
私たちは比較的落ち着いた雰囲気の海の家に入りました。砂浜よりかなり高い位置にあるテラス席に案内されたので浜辺にいる若者たちの姿は全く見えません。視界に入るのはChayaの灯りと浪子不動・披露山、両者に挟まれて広がる相模湾、その向こうに浮かぶ伊豆半島の山並みだけ。雲の色が微妙に変化していくマジックアワーは、世界に紹介したくなるほど美しかったです。ビーチの雑踏はさておき、時間をかけて来ることなく、この情景を堪能できる地に住んでいることが少しばかり誇らしく思えた8月の夜でした。

以上は安倍長期政権がスタートした頃のお話です。今年はコロナのため海開きもなく、海の家もありません。砂浜はゴミだらけ、千葉勝浦やお隣の由比ガ浜のように波打ち際で遊んでいる子供たちのすぐそばまで水上バイクやクルーザーが侵入する無法地帯になっているのかもしれません。近くに住みながら正月以来海岸に行っていないので現状がわからないのです。来年は当たり前の夏が戻っているといいですが。

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