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伝言板 [何か変]

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“伝言板に君のこと 僕は書いて帰ります” ラジオから流れてきた野口五郎の「私鉄沿線」の歌詞を聴いて私はふと思いました。伝言板を設置している駅なんて今はないんだろうな、災害用伝言板は知っていても、駅の伝言板って何?と思う人の方が、令和の時代では多いのかもと。
携帯電話も、そしてそれに追随する形で普及したメイルもない時代。伝言板はとっても便利なコミニュケーションツールでした。待ち合わせ場所が駅の改札口付近だった場合、約束の時間まで間があるので別の場所で時間をつぶすことにしたとき、ここまではきたけれど急用で、また体調が悪くなってどうしても会えなくなってしまったとき、何分も待ったけど相手が来ないので怒りに震えたとき、これから会うことにはなってはいるが約束した人がどこにいるかわからないのでとりあえず伝言板に書いておこうと、相手の名と今の時間とともに「前の喫茶店で待つ」「体調悪し、帰る、ごめん」「時間守れ、先帰る」などの短文を記したことが今の中高年世代の人なら誰でも一度はあるのではないでしょうか。もしかしたら私鉄沿線の主人公のように見てくれるかもわからない彼女彼氏に自分の現在の想いを短く綴ったロマンチスト、伝言板で人生が変わった人が実在するのかもしれません。私の場合、中学時代にまるで宇宙人が書いたかのような象形文字を描いたり、「進君へ 好きだったのに 太郎」などと書き込んだり、犯罪にならない程度のいたずら書きで利用した記憶はありますが、実際に活用したことはないと思います。
緊急事態宣言の発出で自粛ムード一色だったこの春、JR東日本の東神奈川駅に僅か2か月間ですがその伝言板が復活していたそうです。その間1000件以上の利用があったとか。かつての個人から個人への活用方法とは異なり、○○へ行きたい、故郷に帰りたい等、今現在自分がしたいことを記すメモ、頑張ろう、コロナウイルスなくなって等、利用者、存在に気付いた全ての人に向けたメッセージが多かったとのこと。コロナの閉塞した雰囲気をいくらかでも和らげるツールになってよかったと立案した駅員さんはコメントしていましたが、コロナ禍で駅構内に掲示される旅行を促すPRポスター等が減少していたことが伝言板を設置できた一因とはなんとも皮肉なものです。

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