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Halloween Collection [楽]

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幼い頃から有楽町は何度となく訪れているが、私は東京都民になったこともないのでかつてそこにあった都庁もきたことがない。つまりその地に立つことは生まれて初めてのことだった。
花嫁、シスター、メイド、ドラキュラといった人目を意識した衣装、メイクの観客たちでホールへつづく幅広く緩やかな階段やゆったりとしたコンコースはあふれていた。その日、私たちが東京国際フォーラムを訪れたのは女性アーティストのライブを観るため。チケットにハロウィンの文字はあったが、観客も仮装すべきだったのかとその場にきて気付いた。開場を待つ間、観客同士がいたるところで写真を撮り合っている。「私の方が凝っていて注目度はあるけど一応撮ってあげるわよ」それぞれがそう思いつつシャッターを押しあっているのだろう。無駄な装飾を一切排除したようなシックなホール内は、開演をじっと待つという雰囲気ではなく異様な熱気が覆う。不気味さを漂わせる音楽が流れホールが一瞬静まる。次の瞬間、スポットライトが彼女を捉えると観客席にまぎれた花嫁やドラキュラたちが一斉に歓声、雄叫びをあげ興奮レベルはマックスに達した。若い女性たちが共感する彼女の歌に私も魅かれたのは彼女がデビューしてかなり時間が経ってからのこと。そして生の歌を聴くのはその日が最初。私の一番聴きたかった曲は歌われなかったが、終始来場者を魅了した彼女のステージはあっという間に終了してしまった。アリーナやドームのような大きな器で開催した方が興行的にはおいしいのだろうが、音響照明設備の整った会場を彼女はあえて推したのだろう。次回は同じ場所で彼女のバラード曲だけを聴かせる落ち着いたライブを催して欲しいものだ。
しかしその日会場にいた彼女のファンたちは、場にそぐわない私たちをみて「メイクアップアーティストに頼んだのかしら、まるで本物の老人」と驚嘆しただろうか。

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